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庭は一つの世界。この世界で石を組むのは自分一人という醍醐味が最高の喜びですね。 | |||||
「石にしても植栽にしても、余計なものは入れないことが大切ですね。削って削って、空白の美しさを知るべきだと思います」と言うのは、アラキ工務店の庭師の松本正さん。 庭という宇宙空間を際立たせるために、石や木を入れるといっても過言ではない。 余分なものを削いでいったときに、ひょいとその庭の一番美しい顔が現れるのだという。 茶室もそれだけで、成り立つものではない。 周りの庭という宇宙のなかに浮かぶ恒星が茶室なのだ。 作庭したてはまず、植物がせめぎ合い、少しでも根を張り、葉を茂らせようと競うが、棲み分けをもってよしとする。 石も最初はよそよそしい。 ところが、そこの土と空気の息づかいの中で石もサビを出し、よそよそしさが消えていくのだ。 |
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